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長江俊和さんの著書「恋愛禁止」考察(ネタバレ注意)。

こんにちは、ショウヘイです。

長江俊和さんの著書「恋愛禁止」を読みました。

恋愛禁止

私なりの考察です。

長江俊和さん

この東京二十三区女は、長江俊和さんが書いています。

長江俊和さんといえば、放送禁止シリーズで有名な方です。

放送禁止 DVD封印BOX

放送禁止シリーズは、フジテレビの深夜に放送されていたドキュメンタリーに見えるドラマです。

とある理由で放送できなかったドキュメンタリー映像を、フジテレビの倉庫の中から見つけてきて、それを放映するという設定のドラマです。

放送禁止シリーズの面白いところは、ドキュメンタリーの映像を別の視点から見ると、まったく違う事実が浮かび上がるというもの。

私は、そんな放送禁止シリーズなど、長江俊和さんの作品が大好きです。

そんな放送禁止シリーズを手がけた長江俊和さんは、小説も書いていて「出版禁止」「出版禁止 死刑囚の歌」「掲載禁止」「東京二十三区女」などがあります。

最近では、フジテレビのクイズ番組「世界で一番怖い答え」という番組に携わっています。

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恋愛禁止の考察

ここから、恋愛禁止の考察に入ります。

これより、ネタバレになりますので、見たくない人は気をつけてください。

ページと、私が気になった事柄や思ったこと。

P3 「ー愛の力は偉大である」から始まるこの文章は、後につながる。

P4 上段の記事「女性の遺体」は、誰か。下段の記事「愛のために殺した」とは、何を意味しているのか。

P7 こつこつという革靴の音。場所は、拘置所。裁判での判決を待つ被告人が収容される施設。拘置所にいるのは誰か。

P15 瑞帆30歳、倉島隆39歳。

P25 樋口麻土香が言った、隆が生徒に手を出していたという噂。

P35 瑞帆は隆に別れを申し出た。それを隆は受け入れた。隆が別れを受け入れたのはなぜか。

P43 四…瑞帆が隆を殺害する前。隆は通行人とぶつかり、通行人の帽子が飛んだ。

P50 五…瑞帆が隆を殺害した後。

P56 瑞帆が感じた視線は、誰の視線か。

P57 瑞帆の上司、徳島。

P59 瑞帆、内見の立ち会い。客は、株式関係の仕事をしている30代の男性。この男性は。

P63 WEB関係の会社に勤務している永峰健一。瑞帆は、知人の紹介で知り合った。 

P68 瑞帆が笑うと、健一の笑顔が消えた。 

P70 健一は、瑞帆の感じが変わった、魅力的になったと思った。

P74 瑞帆の犯罪が消えた。つまり、瑞帆による隆殺害が露見せずに済んでいるのはなぜか。

P76 駐車場にはブルーシートで覆われた一角がある。

P86 「ーだから我々人間にとって」から始まる文章は、P3の「ー愛の力は偉大である」の続き。

P87 第二章は、第一章の終わりの時点から約2年後。

P90 瑞帆は、健一と結婚し、一人娘の美空を授かった。

P96 「believer」は、「信じる人」「信者」「信奉者」という意味。believerは、誰なのか。believerは、メール文面では、瑞帆のことを「永峰瑞帆」ではなく「木村瑞帆」と旧姓で呼んでいる。

P104 美空が泣く。

P112 「僕はいつでも君のことを応援しているから」と瑞帆に上司徳島は言った。

P115 believerからのメール5通のうち、後の3通は、苗字が無い「瑞帆様」になっている。

P118 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」

kotowaza-allguide.com

P141 何か言おうとしてやめる健一。何を言おうとしたのか。

P149 郷田健介は、P59で登場。株式関係の仕事をしている30代の男性。

P151 郷田は、切れ長の目を三日月のような形にして笑う。「結婚するかどうかはわかりませんけど相手次第」とも。

P152 郷田=believerが確定。

P156 郷田は、隆の遺体を一旦ブルーシートの中に隠した。P76でブルーシートは登場する。

P158 郷田は、瑞帆が殺人をした確固たる証拠を持っている。

P159 P56で瑞帆が感じた視線は、おそらく郷田。

P160 見目麗しい(みめうるわしい)。

P162 郷田は、隆にわざとぶつかった。P43。

P165 瑞帆の会社の人は、郷田に瑞帆の個人用スマホの携帯電話番号を教えてしまった。

P178 「ー彼女を殺した理由」は、P86の「ーだから我々人間にとって」の続き。彼女とは、誰のことか。自分のことを哀れな男と言っているので、話しているのは男性である。

P183 P141で健一は瑞帆に何か言おうとした。が、瑞帆に問い質されて、覚えていないと健一は言った。

P188 武藤直美という女性。瑞帆のことを「木村さん」と旧姓で尋ねた。

P194 武藤は、隆の恋人だった。

P195 武藤と隆は、生徒と先生の関係の時につきあっていた。つまり、瑞帆と同じ境遇だった。P25で樋口麻土香が言っていた、隆の噂は本当だったようだ。

P226 「郷田の愛を受け入れるなら、死んだほうがまし」と言った瑞帆の言葉を郷田が確認。

P228 P4の上段の記事と同じ。「女性の遺体」は、誰か。

P229 P3、P86、P178がまとまった文章で、P228(P4上段)の記事の被疑者の供述。P4下段「愛のために殺した」の容疑者と同じ。ちなみに、被疑者と容疑者はほぼ同じような意味。

P237 P226で郷田は瑞帆に近づき「僕から逃れることができない」と言った。

P240 P229の被疑者は郷田のことで、P228(P4上段)の女性の遺体は、武藤。つまり、郷田は武藤を殺した「愛のために」。

P241 鉄格子の中にいる瑞帆。

P245 瑞帆は警察に出向き、逮捕される。

P246 健一が瑞帆に言わなければならなかったことは「(事件後、)瑞帆の雰囲気(瑞帆の眼差し)が急に変化した」ということ。健一は、そのことがずっと気になっていた。

P249 「愛を証明するため」の意味。

P250 郷田は、瑞帆の犯罪の痕跡を消滅させた。

P251 郷田は、瑞帆を守るために武藤を殺害。あっさり郷田は罪を認めたが、瑞帆のことについては黙秘。

P252 郷田が持っているという「確固たる証拠」とは何だったのか。

P253 健一「一緒に償っていこう」。

P254 こつこつと革靴の音。P7。

P255 瑞帆、自殺。郷田は、殺人と死体遺棄で懲役12年の実刑判決。

P257 エビローグから始まる中学生の主人公は、文脈から察するに美空のこと。瑞帆と健一の娘。

P259 「安心して、僕は君の味方だから」という男性。革の帽子と三日月のような目の形から、郷田。懲役12年の刑期を終えて出所ということだろう。

私の考察

長江さんの著書には、「出版禁止」「出版禁止 死刑囚の歌」があります。

出版禁止 (新潮文庫)

出版禁止 (新潮文庫)

  • 作者:長江 俊和
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/03/01
  • メディア: 文庫
 

上記の本は、前述の「放送禁止」のような、別の視点から見ると、まったく違う事実が浮かび上がるという感じで、謎解き要素がありました。

この「恋愛禁止」は、そういった謎解き要素はあまりなく、素直に読めました。

序盤で、新聞記事の引用やどの場面かわからない文章が出てきて、読み進んでいくうちにそれらがパズルのピースのごとくカチッとハマっていく感じがいいですね。

しかし、この「恋愛禁止」を素直に読んで良いものなのかどうか、よくわからないです。

すごく荒っぽく、この本の内容をまとめると、「瑞帆は恋人だった隆を殺してしまった。瑞帆を崇めている郷田という男は、その一部始終を見ていて、瑞帆の殺人を隠蔽した。郷田は瑞帆の愛を得ようとするが断られた。郷田は、瑞帆への愛を証明するために、瑞帆にとって邪魔な存在だった武藤を殺した。しかし、瑞帆は自分の罪に苛まれ、警察に出頭後自殺。郷田も逮捕され、収監。郷田は出所後、瑞帆の娘につきまとうようになる」という感じでしょうか。

でも、やっぱりなんか裏があるんじゃないかと、思ってしまいます。 

例えば、途中で登場する、瑞帆の上司である徳島。

徳島が「僕はいつでも君のことを応援しているから」と、瑞帆に対して好意を抱いている感じが思わせぶりで、この人が実はbelieverなんじゃないかと思っちゃいますね。

P165で、瑞帆の会社の人が、郷田に瑞帆の個人用スマホの携帯電話番号を教えたというのは、もしかしたら徳島が郷田とグルだったんじゃないか?

徳島もbelieverの一人なんじゃないか?

あと、夫の健一も、何か言おうとして言わなかったり、その言おうとしたことも「(事件後、)瑞帆の雰囲気(瑞帆の眼差し)が急に変化した」ということらしいんですが、本当にそれが言おうとしたことなの?と疑念を持っています。

もっと、事件に関する具体的なことを言うのかと思いきや、瑞帆の目が変わったとか感覚的なことを言うだけで、モヤモヤ。

いまいち腑に落ちない、健一の言動。

本当は、瑞帆と郷田のやり取りを前から知っていたんじゃないか、もしくは健一もbelieverの一人なんじゃないか?と勘ぐってしまいます。

例えば、P104で瑞帆のスマホにショートメールが届いた時、美空が急に泣いたのは、健一がこっそり寝床で瑞帆のスマホにショートメールを送信するためにスマホを操作していたところ、美空がスマホの明かりに気づいたからなのでは?

しかし、ショートメールの送り主の電話番号は、それまでに届いたショートメールと同じということなので、それは違うかな。

でも、WEB関係の仕事をしている健一にとっては、同じ電話番号でメッセージを送るというような工作は、お手の物なのかもしれません。

あと、郷田と待ち合わせしていた場所で、スポーツ新聞を読んでいたスーツ姿の男も、気になります。

個人的には、郷田、徳島、健一らがbelieverという名の団体員で、それぞれが瑞帆の隆殺害の情報をすでに共有していた。

瑞帆に対するbeliever(信奉者)なので、隆殺害に関して全員が口外しないということにしていた。

believerはその後静かにしていたものの、健一が瑞帆と結婚したことに憤慨した郷田が瑞帆に近づき、隆殺害のことを示唆した…。

ここまで書いてきて、この「みんなbeliever説」は、ずいぶん無理があるなぁと思いますね。

ある意味、これは私の願望。

「実は裏でみんな繋がってました~」という、大どんでん返しがあったら、凄いなぁという願望でありフカヨミです。

実際は、上でまとめた内容が、正解なのでしょう。

深読みせず、あっさりとこの物語を味わうのが良いのかなと思います。

けれど、もしかしたら、ほかに”真実”が隠されているのかもしれません。

あなたには”真実”が見えましたか?

恋愛禁止

恋愛禁止

  • 作者:長江 俊和
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/12/25
  • メディア: 単行本
 

毎度、付箋を付けまくって読みました。

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以上、「長江俊和さんの著書 恋愛禁止 考察(ネタバレ注意)」でした。