こんにちは、ショウヘイです。
長江俊和さんの著書「東京二十三区女 あの女は誰? (幻冬舎文庫)」を読みました。
「千代田区の女」の私なりの考察です。
その前の「葛飾区の女」の私なりの考察はこちらです。
長江俊和さん。
この東京二十三区女は、長江俊和さんが書いています。
長江俊和さんといえば、放送禁止シリーズで有名な方です。
放送禁止シリーズは、フジテレビの深夜に放送されていたドキュメンタリーに見えるドラマです。
とある理由で放送できなかったドキュメンタリー映像を、フジテレビの倉庫の中から見つけてきて、それを放映するという設定のドラマです。
放送禁止シリーズの面白いところは、ドキュメンタリーの映像を別の視点から見ると、まったく違う事実が浮かび上がるというもの。
私は、そんな放送禁止シリーズなど、長江俊和さんの作品が大好きです。
そんな放送禁止シリーズを手がけた長江俊和さんは、小説も書いていて「出版禁止」「出版禁止 死刑囚の歌」「掲載禁止」「東京二十三区女」などがあります。
東京二十三区女 あの女は誰? 千代田区の女の考察。
ここから、東京二十三区女 あの女は誰? 千代田区の女の考察に入ります。
これより、ネタバレになりますので、見たくない人は気をつけてください。
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文庫版ページと、私が気になった事柄や思ったこと。
P229 仲良し公園。
P229 主人公は「僕」という。僕に話しかけてきた女性は誰か。
P230 僕に話しかけてきた女性は40代で、僕を甥と間違えた。
P232 紫の一本の地獄谷。
P234 地獄谷の話の中に出てきた女性は、結局人間だったのか幽霊だったのかは、はっきりしない。
P237 帯坂。番町皿屋敷に出てくるお菊が帯をひきずりながらこの坂を通った伝説による。
P241 霊媒師である女は、僕を幽霊と言う。
P242 霊媒師である女は、僕を幽霊と言ったことを冗談だと否定した。
P243 女はちょっとした経営コンサルタントでもある。
P243 女が調べている事件とは。
P244 ある人物がビルから転落した事件。遺体のそばに東京二十三区について書かれた原稿が落ちていた。死亡する直前、千代田区について調べていた。
P246 「僕が、あの原稿を」
P247 僕は、原稿のことを知っていた。
P249 原稿(レポート)を書いた人物と僕は親しい。
P250 恐るべき東京の禁忌、とは。
P250 東京の区の順番。千代田区が一番目。
P252 東京都の誕生。
P255 ビルから転落死したのは、原田凛々子。
P256 「僕」は民俗学の講師。凛々子の先輩の島野仁だと思われる。
P257 凛々子は、僕の恋人。
P258 将門塚。
P260 僕が言う最も恐ろしい禁忌は、将門塚。
P269 誰かが将門塚の祟りを利用して、凛々子を殺害した?
P271 女は、僕のことを凛々子を殺害した犯人と疑っている。
P275 「生と死の境は、あやふやなものなのかもれない。自分は生きている。そう思い込んでいるだけかもしれないって」
P277 「僕は本当に、自分自身なのだろうか」
P277 凛々子も、自分が自分ではないかもしれないという感覚に陥ることがあった。
P283 凛々子が僕のことを死んでいると思っていたことを、僕は知っていた。
P284 僕が凛々子を連れてきたビルは、以前凛々子は来たことがある。
P286 「先輩」や「彼女」は、いったい誰のことを指しているのかを注意する必要がある。
P287 凛々子は、いったい誰なのか。
P288 僕は、彼女の肩に、そっと手を触れようとした。
P290 凛々子は僕の彼女らしい。凛々子になりすましていたのは、僕の後輩。
P291 後輩が、凛々子を突き落とした理由は。
P292 人智の及ばない存在が本当にあるのかもしれないと、僕は思うようになってきた。
P293 「どうして、後輩は僕が死んでいると思いこんでいるのか」
P294 嘘つきの霊媒師。
P295 後輩が凛々子を殺害した理由を、僕は気づいているのか。
私の考察。
この「千代田区の女」でこの本の最後です。
一人称は、僕。
凛々子の先輩である、島野仁が僕ですね。
その後を、謎の霊媒師がついてきているという話。
途中、凛々子の話にもなり、そこで、凛々子は凛々子ではなく、僕の後輩が凛々子になりすましているということでした。
後輩が凛々子になりすましているというより、自分は凛々子だと思いこんでいるようですね。
その後輩は、自分が凛々子ではないということを思い出し、徐々に本当のことを思い出しつつあるようです。
途中で、僕が「僕は本当に、自分自身なのだろうか」 と後輩にほのめかし、それを気づかせようとしていますね。
それに対応する形で、凛々子になりすました後輩は、「自分は生きている。そう思い込んでいるだけかもしれないって」と僕にほのめかしています。
やはり、僕はすでに死んでいるようです。
僕は、泣いている彼女の肩に手を触れようとしています。
手を触れようとしているだけで、触れていない…というか、幽霊なので触れられないのではないか。
また、霊媒師は、自分が嘘つきだと言っている点。
これは、おそらく霊媒師が僕のことを幽霊だと言いつつ、冗談だと否定したことを指しているのだと思います。
僕が幽霊なのは冗談ではなく、本当のことなのでしょう。
霊媒師なのですから、やはり霊は見えているはず。
私の推測で解釈できるところもあれば、やはり謎の部分もあります。
この霊媒師は、いったい誰なのか。
本当に、誰かから頼まれず、自分の趣味で、僕につきまとっていたのか。
また、僕が死んだ理由、後輩が凛々子を殺害した理由もよくわかりませんね。
邪推すると、凛々子は僕をコーポで殺害し、それの恨みで後輩は凛々子を殺害したのか…。
ただ、前の「東京二十三区女」の「品川区の女」P360によると、僕の死因は検死の結果、心筋梗塞で外傷はなく、事件性はなかったということになっています。
人為的な殺人ではないのはハッキリしていますが、これが呪いや人智の及ばないものによる殺人ということになれば、この限りではありません。
また、後輩が凛々子を殺害した理由を、すでに僕は気づいていると霊媒師は言うのだけれど…。
スカッとこれが答えというものはわからずじまい。
まぁ、これはこれで良いのかもしれません。
もしくは、私が気づいていないだけなのかもしれません。
続編があれば、また読んでみたいです。
まだ東京二十三区すべてを網羅していませんし…。
…と、私は解釈しました。
「あなたには”真実”が見えましたか?」
以上、「長江俊和さんの著書 東京二十三区女 あの女は誰?(幻冬舎文庫)の千代田区の女 考察(ネタバレ注意)」でした。